バンコクの地下鉄「MRT」は、渋滞の多い市内を短時間で移動できる、旅行者にとって心強い交通手段です。とはいえ、「路線図が複雑でよく分からない」「一日券は使えるの?」「クレジットカードでそのまま乗れる?」と、出発前に戸惑う人も少なくありません。
MRTは2026年に入ってから支払い方法が大きく変わり、以前の情報のままだと現地で困ってしまうケースも出てきています。
この記事では、バンコクMRTの路線図や乗り方の手順、ブルーライン・パープルラインの料金表、クレジットカードのタッチ決済の使い方、一日券の最新事情、始発・終電の時刻表、治安やトイレ事情まで詳しく紹介します。
バンコクの地下鉄(MRT)とは?路線図と基本情報
MRTは、Bangkok Expressway and Metro(BEM)が運営するバンコクの地下鉄・高架鉄道です。市内中心部を環状に走る「ブルーライン」と、郊外を結ぶ「パープルライン」が旅行者にとって特に利用しやすい2路線となっています。
観光で使う機会が多いのはブルーラインで、フアランポーン駅、スクンビット駅、シーロム駅、チャトチャック駅など、市場やナイトマーケット、繁華街に近い駅を数多く通ります。BTS(高架鉄道)とは駅名は違っても乗り換えできる接続駅が複数あるため、両方を組み合わせるとバンコク観光の移動範囲が一気に広がります。
MRTとBTSの違いは?
MRTは地下や一部高架を走る路線で、市場・寺院・下町エリアへのアクセスに強いのが特徴です。一方のBTSは高架鉄道で、サイアムやアソークなど繁華街・商業施設エリアを中心にカバーしています。支払い方法にも違いがあり、2026年7月時点ではMRTはクレジットカードのタッチ決済に対応していますが、BTSは非対応のままとなっています。目的地に応じて使い分けると、移動がよりスムーズになります。
| 項目 | MRT(ブルーライン) | BTS(スカイトレイン) |
|---|---|---|
| 運営 | BEM | BTSグループ |
| 走行区間 | 地下・一部高架 | 高架 |
| 主なエリア | フアランポーン・シーロム・スクンビット周辺 | サイアム・アソーク・プロンポン周辺 |
| タッチ決済 | 対応 | 非対応(2026年7月時点) |
| 運賃 | 17〜44バーツ | 17〜65バーツ |
MRTとBTSは走るエリアも支払い方法も異なります。市場や下町を中心に観光するならMRT、ショッピングモールや高級エリアを回るならBTSが便利です。初めてのバンコク旅行では、宿泊先の最寄り路線をまず確認しておくと、当日の移動で迷いにくくなります。両路線を乗り継ぐ場合は、接続駅(スクンビット⇔アソークなど)で改札を一度出て乗り換える必要がある点も覚えておきましょう。
バンコクMRTの乗り方を4ステップで解説
MRTの乗り方は日本の地下鉄とほとんど同じですが、チケットの形状や改札の仕組みに独特な部分があります。ここでは初めての人でも迷わないよう、乗車から下車までの流れを順番に紹介します。
ステップ1 券売機でトークンを購入する
MRTの各駅には自動券売機が設置されており、画面右上のボタンで英語表示に切り替えられます。路線図から行き先の駅をタッチすると運賃が表示されるので、表示された金額を投入します。出てくるのは「トークン」と呼ばれる丸いプラスチック製のコインです。券売機で使える紙幣は100バーツ札までのため、大きな紙幣しかない場合は駅構内の窓口で両替してもらいましょう。
ステップ2 改札を通過する
改札機の上部にある読み取り部分にトークンをタッチすると、ゲートが開きます。クレジットカードで支払う場合は、隣接する「タッチ決済」専用のレーンを利用してください。トークンとタッチ決済でレーンが分かれている駅もあるため、案内表示をよく確認しましょう。
ステップ3 乗車してホームで待つ
改札を抜けたら、電光掲示板や案内表示で進行方向を確認してホームへ向かいます。日本と同様に、乗車前には黄色い線の内側で並んで待つのがマナーです。車内は飲食禁止で、ゴミ箱も設置されていないため、飲み物などは事前に処分しておくと安心です。
ステップ4 目的駅で下車・退場する
目的の駅に着いたら改札へ向かい、トークンの場合は改札機の投入口へコインを入れることで退場できます。クレジットカードで入場した場合は、同じカードを退場時にもタッチする必要があるため、入場に使ったカードを必ず携帯しておきましょう。
バンコクMRTの料金表(運賃)をブルーライン・パープルラインで解説
MRTの運賃は乗車する駅数に応じて変動する仕組みです。2026年7月3日には運賃改定が実施され、ブルーラインの初乗り運賃は17バーツ、12駅以上乗車した場合の上限は44バーツとなりました。高齢者は半額運賃、障がいのある人と身長120センチ以下の子どもは無料で利用できます。
パープルラインは初乗り17バーツ、上限42バーツが目安です。ブルーラインとパープルラインを乗り継いで利用する場合は、通しでの運賃計算となる点も覚えておきましょう。
| 路線 | 初乗り運賃 | 上限運賃 | 運行区間の目安 |
|---|---|---|---|
| MRTブルーライン | 17バーツ | 44バーツ | タオプーン駅〜フアランポーン駅ほか環状部・放射部 |
| MRTパープルライン | 17バーツ | 42バーツ | タオプーン駅〜クローンバンパイ駅 |
ブルーラインは市内中心部を1周する環状部と放射部を持つため、路線図だけでは距離感がつかみにくいかもしれません。運賃は乗車前に券売機の画面で自動的に表示されるので、事前に暗算しておく必要はありません。ただし現金の持ち合わせが少ないと券売機で両替の手間がかかることがあるため、20バーツ・50バーツ程度の小銭を用意しておくとスムーズです。運賃は今後も改定される可能性があるため、訪問前に公式サイトで最新の料金を確認することをおすすめします。
MRTはクレジットカードのタッチ決済で乗れる?使い方と注意点
2026年6月1日、MRTブルーライン・パープルラインでは長年利用されてきたプリペイド式の「MRTカード」「MRTプラスカード」の取り扱いが終了しました。現在の支払い方法は、駅の券売機で購入するトークン(1回乗車券)と、クレジットカード・デビットカードによるタッチ決済の2種類に一本化されています。
タッチ決済に対応しているカード
MRTのタッチ決済は、コンタクトレスマーク(波型のマーク)が付いたVisa・Mastercardのカードに対応しています。改札機の「TAP HERE」の表示部分にカードを直接タッチするだけで入場でき、日本から持参したクレジットカードやデビットカードもそのまま利用できます。事前の登録や現地でのカード発行は不要なので、旅行者にとっては最も手軽な支払い方法といえます。退場時は入場時と同じカードをタッチする必要があるため、複数枚のカードを持ち歩く場合は取り違えに注意しましょう。
BTSとの違いに注意
同じ電車でもBTSは2026年7月時点でクレジットカードのタッチ決済に対応していません。MRTのつもりでBTSの改札にカードをタッチしても通過できないため、路線ごとの対応状況を事前に把握しておくことが大切です。エアポート・レール・リンク(ARL)やSRTライトレッドラインはタッチ決済に対応しているため、空港からの移動と合わせて覚えておくと現地で迷いません。
| 路線 | クレジットカードのタッチ決済 | 備考 |
|---|---|---|
| MRT(ブルー・パープル) | 対応 | Visa・Mastercardのコンタクトレス対応カードが利用可能 |
| BTS | 非対応 | トークンまたはラビットカードが必要 |
| ARL(エアポート・レール・リンク) | 対応 | Visa・Mastercard・JCBに対応 |
| SRTライトレッドライン | 対応 | Visa・Mastercard・JCBに対応 |
タイでは公共交通機関の支払い方法を1枚のカードに統一する「共通チケット政策」が進められており、MRTのタッチ決済移行はその一環です。今後はBTSやバスにも対応が広がる見込みのため、旅行前には最新の対応状況を確認しておくと安心です。トークンとタッチ決済のどちらを使うか迷う場合は、頻繁に乗り換える予定がある人はタッチ決済、現金派の人はトークンを選ぶとよいでしょう。
MRTの一日券(ワンデーパス)は今も使える?最新情報
以前のMRTブルーラインには120バーツで乗り放題になる一日券がありましたが、2026年7月時点ではこの一日券自体の販売は行われていません。券売機や窓口で「MRTの一日券をください」と伝えても購入できないため、事前情報のまま現地へ向かうと戸惑ってしまいます。
一方でパープルラインには、タッチ決済を利用した場合に運賃の合計が1日40バーツに達すると、それ以上運賃が加算されなくなる仕組みが導入されています。これは購入する形式の乗車券ではなく、Mangmoomカードや銀行発行のEMVタッチ決済対応カードで乗車した場合に自動的に適用される上限額です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブルーラインの一日券 | 販売終了(2026年7月時点) |
| パープルラインの運賃上限制度 | タッチ決済利用時、1日40バーツで運賃が頭打ちになる |
| 対象となる支払い方法 | Mangmoomカード・MRTカード・銀行発行EMVタッチ決済対応カード |
観光でMRTを何度も利用する予定がある場合は、一日券を探すのではなく、クレジットカードのタッチ決済でその都度乗車する方法が現実的です。1回あたりの運賃は最大でも44バーツ程度のため、一日に何度も乗っても大きな出費にはなりにくい料金体系になっています。今後、一日券や周遊きっぷが復活する可能性もあるため、長期滞在や頻繁な利用を予定している人は出発前に公式情報を確認しておくと安心です。
MRTの始発・終電と時刻表を確認しよう
MRTは路線によって始発時刻が異なるため、早朝や深夜に移動を予定している場合は事前に確認しておきましょう。ブルーラインは毎日06:00始発、終電は24:00です。パープルラインは平日05:30始発、土日祝は06:00始発となっており、こちらも終電は24:00です。運行間隔はブルーラインが約4〜7分、パープルラインが約6〜9分を目安にしてください。
平日の始発・終電
平日はブルーライン・パープルラインともに終電が24:00です。パープルラインの始発は05:30と、ブルーラインより早く運行が始まる点がポイントです。早朝にドンムアン空港方面へ向かう予定がある場合は、この時間差を踏まえてスケジュールを組むとよいでしょう。
土日祝の始発・終電
土日祝はパープルラインの始発が06:00に繰り下がります。ブルーラインの始発時刻は曜日にかかわらず06:00で変わりません。終電はどちらの路線も平日と同じ24:00です。
| 路線 | 平日始発 | 土日祝始発 | 終電 | 運行間隔の目安 |
|---|---|---|---|---|
| MRTブルーライン | 06:00 | 06:00 | 24:00 | 約4〜7分 |
| MRTパープルライン | 05:30 | 06:00 | 24:00 | 約6〜9分 |
深夜0時を過ぎるとMRTは運行を終了するため、ナイトマーケットや繁華街での夜の観光を予定している場合は、終電の時間を見越して早めに移動を始めるのが安心です。終電間際は駅によって混雑することもあるため、余裕を持ったスケジュールを組んでおくとタクシーやGrabへの切り替えもスムーズになります。時刻表は今後変更される可能性もあるため、訪問前にBEMの公式サイトで最新情報を確認してください。
知っておきたいMRT利用時の治安とトイレ事情
治安面で気をつけたいポイント
MRTは駅構内・車内ともに監視カメラが設置され、警備員が巡回していることもあり、バンコクの公共交通機関の中では比較的治安が保たれているとされています。とはいえ、混雑した車内や券売機の周辺ではスリなどのトラブルが起こる可能性もゼロではありません。貴重品はリュックの外側ポケットに入れず、体の前側で管理するなど、日本にいる時よりも一段階注意を高めておくと安心です。全駅で手荷物検査が実施されているため、大きな荷物を持って移動する際は多少の時間の余裕を見ておきましょう。
車内・駅構内のトイレ事情
MRTの駅構内には基本的にトイレが設置されていません。改札内・改札外を含めて利用できる公衆トイレがない駅が多いため、乗車前に周辺のショッピングモールやコンビニで済ませておくのが現実的です。長時間の移動や乗り換えを予定している場合は、接続する商業施設のトイレの場所を事前に地図アプリで確認しておくと、現地で慌てずに済みます。
初めてでも迷わない!MRT利用時に役立つ現地情報
子供運賃・シニア割引
MRTには子供運賃の設定があります。身長91センチ以上120センチ未満の子どもは大人運賃のおよそ半額、身長90センチ以下の子どもは無料で乗車できます。高齢者も半額運賃の対象となるため、家族連れやシニア世代での旅行でも活用しやすい料金体系です。
バリアフリー対応
全駅にエレベーターが設置されており、車両内には車椅子用のスペースも確保されています。ベビーカーや大きなスーツケースを持っている場合は、改札脇にある幅の広いゲートを利用すると通過しやすくなります。ゲートが改札から離れている駅では、係員にトークンやカードを渡すとタッチを代行してもらえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 子供運賃 | 身長91〜120センチ未満は大人の半額、90センチ以下は無料 |
| シニア運賃 | 半額(2026年7月改定分より) |
| バリアフリー | 全駅にエレベーター設置、車両内に車椅子スペースあり |
| 手荷物検査 | 全駅で実施、飲食物の持ち込みも確認対象 |
これらの現地情報を踏まえておくと、初めてのMRT利用でも落ち着いて行動できます。特に手荷物検査とトイレ事情は見落としがちなポイントなので、乗車前に意識しておくと当日の移動が快適になります。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、バンコクの地下鉄(MRT)の路線図や乗り方、ブルーライン・パープルラインの料金表、クレジットカードのタッチ決済の使い方、一日券の最新事情、始発・終電の時刻表、治安やトイレ事情まで詳しく紹介しました。
MRTは2026年に入ってからプリペイド式カードが廃止され、トークンとクレジットカードのタッチ決済が中心の乗車方法へと変わりました。以前のような一日券は販売されていないため、頻繁に利用する予定がある人は、手持ちのクレジットカードでそのままタッチ決済を利用する方法が現実的です。始発・終電の時間や運賃は路線によって異なるため、旅行のスケジュールに合わせて事前に確認しておくと安心です。
料金や運行情報は今後も変更される可能性があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認したうえで、バンコクでのMRT利用を計画してみてください。