無角和種(むかくわしゅ)ってどんな牛?
無角和種は山口県の阿武郡で昔から生育されている牛です。
欧米で人気があったアバディーンアンガス種と交配させたものが今でも受け継がれています。
交配させた品種は黒毛和牛です。
見た目の特徴とは
無角和種は黒毛和牛と同様に黒のみの毛色となっていて、鼻や蹄も全て黒くなっています。
名前の通り、角は無く、それ以外の見た目は黒毛和牛とほとんど変わりません。
体格は?
体格はやや小型の部類になり、雌で450キロ、雄で800キロ程度まで成長します。
体高は120cm程度なので、そんなに大きい印象は受けないでしょう。
無角和種は脚に特徴があり、中躯がやや長めで短肢となっています。
かつては高い人気を誇った無角和種
もともと無角和種は高い人気を誇って頭数も多い品種でした。
人気を集めた要因は育ちが早いということ!
普通の牛に比べて成長速度が早く、しかも産肉量が多いので、農家にとっても好まれていたんです!
しかし、年々数は減少・・・
一時期は1年間で1万頭近い無角和種がいたといわれています。
しかし、今ではわずか250頭ほどまでに激減・・・。
無角和種の肉質が落ちたというよりも、牛肉の輸入解禁になったことが大きいです。
市場では外国産の牛肉が増え、価格が高い無角和種はだんだんと淘汰されてしまったというのが現状です。
最近では新たな取り組みも!
このままでは無角和種が姿を消してしまう危機的状況に・・・。
そんな現状に不安を抱いた山口県が無角和種の繁殖活動を行っています。
無角和種の繁殖センターを作って、数を増やそうという試みを開始し、徐々に数が増えています。
無角和種の肉質について
無角和種は見た目こそ、黒毛和牛とそっくりですが肉質では黒毛和牛にやや劣ると言われています。
一番の違いは、脂肪交雑のきめ細かさ。
無角和種の方が皮下脂肪が厚く、筋繊維が細かくないので黒毛和種ほどの口溶けは残念ながらありません。
産肉能力はトップクラス!
一頭あたりから取れる枝肉歩留は62%程度。
これは牛の中でも比較的高い比率です。
無角和種はお肉として食べられるところが多いというメリットがあります。
女性やお年寄りに好評!
脂肪交雑具合では黒毛和牛に劣るものの、肉が柔らかく、赤身が多いのでヘルシー志向の方に人気!
日本は霜降りの肉を好む傾向があります。
しかし、和牛本来の風味や食べ応えという意味では無角和種は非常に優れた牛肉です。
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