熊野牛とは?
熊野牛は和歌山県特産のブランド牛です。
熊野地方は現在の和歌山県南部にあたります。
熊野牛の味わい
霜降りが十分あり、肉質はきめ細やかです。
肉の繊維そのものが細いので柔らかいのが特徴です。
上質な熊野牛は脂が溶け出す温度が低めでしつこい感じにならず肉のうまみが楽しめます。
また、焼いたときの香ばしい香りも人気です。
熊野牛の厳しい基準
熊野牛の定義としては熊野牛認定委員会によって厳しく決められています。
たしかに正統な熊野牛であることを認定するために認定制度が設けられています。
熊野牛として認められるには、
・黒毛和種であること
・和歌山県内で14か月以上育てたこと
・出荷時の月齢が26か月以上であること
・雄牛または未経産の雌牛であること
という4つの条件をクリアする必要があります。
さらに肉質については
日本食肉格付協会による格付けがあるときは、肉質等級が3級以上、歩留等級B以上。
格付けがないときには、調査員2名により肉質などの確認がされて、
熊野牛認定委員会によって適当と認められること、
といった厳しい条件をクリアしたら熊野牛として認められます。
このように、かなり細かく決まっています。
熊野牛の歴史とルーツ
熊野地域といえば、熊野三山で大変に有名な信仰の場ですね。
いまでも熊野古道という参詣道が有名です。
熊野本大社、熊野速玉大社、熊野那智大社という三つの神社へのお参りは平安時代から盛んでした。
当時の都である京都から熊野へ足を運ぶ人たちは多くいました。
京都から荷物を運ぶための牛として連れてこられた荷牛を平安時代中期ごろに農業で使い始めたのが熊野牛のルーツとされています。
もともとは農耕用の大事な労働力として使われてきた牛に但馬牛などの血統を加えて品種改良を重ねて肉用牛としてブランド化したのです。
熊野牛のおいしさの秘密
熊野牛の高い品質は、和歌山の気候のなかで血統のいい牛を育てることで大事に守られています。
和歌山の自然
紀伊山脈から湧き出る美しい水と豊富な植物性飼料を使って熊野牛は大事に育てられています。
昔ながらの飼育方法を守って育てられているので健康でおいしいお肉が育つのです。
たしかな血統
熊野牛の品質の高さはその優秀な血統にあるといわれています。
父牛も母牛もそれぞれに優秀な血統の牛で「仔牛登記」という血統の証明書があります。
血統を重視して厳格な基準に基づいて飼育される熊野牛の味わいは松坂牛や米沢牛にも負けない、とさえ言われるほどの品質を誇っています。
希少なブランド牛
ただ、肉質はいいけれど、出荷数に限りがあるのでかなり希少なブランド牛になっています。
年間の出荷頭数が170~200頭くらいということで、量がとても限られています。
和歌山県内の熊野牛を扱うお店で食べるか、お取り寄せで堪能するか、熊野牛の貴重な味を味わってみたいですね。
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